ケアマネージャーが知っておきたい社会保障制度ガイド

障害者制度改革

民主党を中心とした政権が、多方面に渡る社会保障制度の見直しを掲げていましたが、
障害者福祉分野に関しては、民主党が障害者自立支援法の廃止や、
国連の障害者権利条約の批准に向けた法制度の改正をマニフェストで示していたので、
とても大きな動きがありました。

障害者制度改革の議論

権利条約は、障害者を「権利の主体」として捉えることを基本理念とし、
生活の様々な場面において障害者の人権(尊厳)尊重を求める内容になってます。
ですから、障害者施策に関する様々な法制度を創設し、改正する必要性がでてきます。

 

そのため、様々な課題を一元的に理論するための組織として、
内閣総理大臣以下全ての閣僚がメンバーとなる「障がい者制度改革推進本部」を設置しています。
「障がい者制度改革推進本部」の下には、実務的なとりまとめを担う
「障がい者制度改革推進会議」や「「障がい者制度改革推進部会」を設置し、
官庁の枠を超えた議論が展開されています。

 

推進会議においては、構成員の過半数が障害当事者によって構成されています。
そして、情報保障への配慮も実践されるなど、
当事者の意見が施策へと取り入れていく姿勢が示されました。

 

このような議論を経て、2011年には、障害者虐待防止法の創設や、障害者基本法の改正、
2012年には自立支援法や障害者雇用促進法の見直しが実現しています。
また、障害者差別を解消するための法制度についても、創設に向けた議論が具体化しています。

 

そして、これらの成果に対する評価には、温度差がありますが、
基本的には好意的に受け止められているように思います。

創設・改正された法制度と概要(自立支援法は除く)

障害者基本法の改正

 

・障害者基本法の改正は、2011年8月に施行されました。

 

・障害者基本法改正の概要

 

 障害定義の見直しや、地域における共生の実現、教育の場の選択、
養育支援、司法における配慮や防災など、障害者施策の基本的な方向の見直し。

 

障害者虐待防止法の創設

 

・障害者虐待防止法は、2012年10月に施行されました。

 

・障害者虐待防止法の概要

 

 障害者に対する虐待行為を禁止し、市町村を中心に虐待発生時の通報受理や一時保護の実施をすること。
 上記に合わせて、障害者の家族などに対する支援を通じて、虐待の未然防止を図る。

 

障害者優先調達推進法の創設

 

・障害者優先調達推進法は、2013年4月に施行されました。

 

・障害者優先調達推進法の概要

 

 国や地方自治体などの公共機関が、障害者就労支援施設や特例子会社などから、物品や業務の優先的な調達を推進する。

 

障害者雇用促進法の雇用率引き上げ

 

・障害者雇用促進法の雇用率引き上げは、2013年4月に施行されました。

 

・障害者雇用促進法の雇用率引き上げの概要

 

 従来1.8%だった障害者雇用率を2.0%にひきあげるなど、障害のある人の企業就労を促進する。

 

障害者差別解消に向けた新法

 

・障害者差別解消に向けた新法は、法制化を検討しているところです。

 

・障害者差別解消に向けた新法の概要

 

 障害者に対する差別解消に向け、差別的な扱いを明確化した上で法的に禁止するとともに、
社会参加の障壁を解消することなどを盛り込む。