ケアマネージャーが知っておきたい社会保障制度ガイド

ケアマネージャーが知っておきたい社会保障制度ガイド

介護保険制度は年々増加していくので、それを把握していくだけでも大変なのですが、
利用者さんの生活に深く関係する制度は様々です。

 

例えば、障害者総合福祉法や、保護費の引き下げが検討されている生活保護、
本当に複雑な年金保険等々など、ケアマネージャーが知っておきたい社会保障制度は山のようにあります。

 

そして、現在は、世代間の公平の見地から、「全世代対応型」の社会保障制度への転換が図られています。
例えば、社会保障と税一体改革などが進められているなどです。

 

ケアマネージャーが知っておくべき社会保険制度について、ポイント抑えて知識を得ることで、
より充実したサポートを提供できるように日頃から準備しておきましょう。

社会保障と税一体改革について

少子高齢者が著しく進展しています。
そして、年金、医療、介護などに必要な社会保障の費用も年々伸びています。

 

現在用いられている財源を有効に使って社会保障を充実させていくことが理想ですが、
高齢化の進展はますますハイスピードになっているため、
今ある財源を有効に使うというのも限界になりつつあります。

 

また、将来を考えると、社会保障のための財源は、
子育てをする若年者のためにも使用しなければ、国の将来も危うい状態です。

 

このような難しい背景がある中、平成24年度に消費税を現行の5%から8%へ引き上げ、
最終的には10%に引き上げる法案が通過し、
平成26年4月から、経済の動向を踏まえながら段階的に消費税を引き上げていくことが決定しています。

 

社会保障改革の大枠は、民主党、自由民主党、公明党の3党合意で最終的に決定され、
さらに各党の対立点を調整するという意味も含め、
「社会保障制度改革国民会議」が設けられて、有識者による議論もされています。

 

このような改革は、今までの制度とは全く異なる新しい法案もあり、
過去に捉われない法律、例えば「子どもや子育てに関するもの」は、既に決定しています。

 

そして、医療や介護、年金、子ども、子育てなど財源的に見ても重要なものに関しては、
消費税引き上げと同時に直ちに実現するものも多くあります。

 

さらに低所得高齢者のための年金生活者支援給付金を新たに支給することなども確定しています。
ですが、消費税の引き上げに伴う低所得者対象などは、
どのような方式にするかについても、現在も議論がされています。

社会保障と税の一体改革で目指すもの

社会保障を充実させるために、+2.7兆円程度が必要であると試算しています。

 

<子ども・子育て/0.7兆円程度>

 

・認定こども園制度の改善
・認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付等の創設
・地域の子ども・子育て支援の充実

 

これらにより、より子どもを生みやすく育てやすい環境にしようとするものです。

 

具体的には、幼児期の学校教育や保育の総合的な提供をすること、
待機児童対策を強力に推進すること、
大都市以外でも地域の保育を支援すること、
家庭や地域の子育て支援を充実させることなどを盛り込みます。

 

<医療・介護/1.6兆円程度>

 

どこに住んでいても適切な医療や介護サービスが受けられるように
医療制度や介護制度を充実させようとするものです。

 

具体的には、在宅医療や在宅介護を充実させることや、
地域包括ケアシステムを充実させることによって
住み慣れた地域での生活ができるように支援していくこと、
また、早期社会復帰に向けた医療の充実を図ることなどを盛り込みます。

 

<年金/0.6兆円程度>

 

被用者保険の適応を拡大し、短時間労働者にもサラリーマンの社会保障を給付すること、
低所得高齢者への福祉的給付をすること、
年金の受給資格期間を短縮すること、
遺族基礎年金の支給対象を父子家族にも拡大することなどを目指しています。

高齢化について

消費税の増税が実現すれば、かなりの程度の安定的な財源の確保が可能になります。
ですが、その結果として生活が豊かになり、社会保障が充実し、老後の生活が安泰になるなど、
ばら色の絵が書かれるというわけではありません。

 

増税分のかなりの部分が、本来なら以前に確保すべきでありながら先送りになっていた
基礎年金の国庫負担の確保を中心とした財源に充てられます。

 

そして、経済の動向次第では、
消費税財源が期待したほどの財源確保に繋がらないという可能性もあります。

 

「景気の回復を待ってから増税を!」という意見も一部ありますが、
今まで10年以上同じことが叫ばれてきました。
そして、その都度、国政全体としての借金返済を先送りしてきました。

 

この歴史を振り返れば、「景気の回復を待ってから増税を!」という発想は、
かなりリスクの高い一種のギャンブルであるといえます。

 

現実的であると思われる程度の景気回復による自然増収だけでは、
将来の社会保障財源の確保をしていくことは難しいといわざるを得ない状況にあることは、
誰もがわかることです。

 

少子高齢化の見通しを踏まえても、消費税の増税はやむを得ないでしょう。

 

日本の将来を考えると、先の長い若者に重点的な教育投資が必要です。
そして、医療や介護のあり方を今までよりも工夫し、
より効果的なものにすることが不可欠です。

 

また、今までは過疎地や中山間部で進んできた高齢化が、
今後は大都市中心、郊外都市で急速に進んでいくことが考えられます。
超高齢都市の街づくりなどの構想も、重要な政策課題となっていくでしょう。